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制度をくわしく

公式サイトに書いてあることの言い換えではなく、誤解されている点・最近変わった点・手続きで詰まる点を中心に書いています。金額の根拠にした資料も制度ごとに載せました。

国民健康保険料の軽減

世帯の所得が基準以下だと、保険料のうち人数割の部分が7割・5割・2割減ります。申請はいりません。所得の申告さえしていれば自動で判定されます。

申請はいりません。前年の所得が市区町村に把握されていれば自動で判定されます。逆に言うと、収入が少なくて確定申告も年末調整もしていない人は、所得が「不明」のままだと軽減されません。収入がなかった年でも市区町村に住民税の申告(0円の申告)をしておくと、軽減の判定に乗ります。ここで詰まっている人がかなりいます。判定に使うのは世帯主と加入者全員の所得で、世帯主が国保に入っていなくても世帯主の所得は数えます。

窓口
市区町村の役所
根拠
令和8年度の軽減判定所得の算式(新潟市・松阪市の公表資料で確認)

高額療養費制度

1か月の医療費の自己負担に上限があります。住民税非課税なら70歳未満で月36,900円。令和8年8月から年単位の上限(29万円)も新しくできました。

2026年(令和8年)8月の診療分から上限額が変わりました。70歳未満で住民税非課税の世帯は月36,900円(それまでは35,400円)。同時に、これまでなかった年単位の上限が新しくできて、住民税非課税なら年290,000円を超えた分は払わなくてよくなります。長く治療が続く人には、月の上限より効きます。事前にマイナ保険証を使うか限度額適用認定証をもらっておけば、窓口で上限を超える分を立て替える必要もありません。

窓口
加入している健康保険(市区町村・協会けんぽ・健康保険組合)
根拠
厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて(令和8年8月診療分から)」の自己負担限度額表

就学援助

小中学生の学用品費・給食費・修学旅行費などを市区町村が援助します。基準額は市区町村ごとに違い、生活保護の基準の1.1〜1.3倍あたりに置くところが多いです。

学用品費、給食費、修学旅行費、体育実技用具費、PTA会費、クラブ活動費など。医療費が対象になる自治体もあります。基準は市区町村ごとに違い、生活保護の基準額の1.1〜1.3倍あたりに置くところが多いのですが、これは条例や要綱で決まるので全国共通の数字はありません。申請は学校を通すのが一般的で、入学前に申し込めば入学準備金として3月に前倒しで受け取れる自治体も増えています。「年度の途中でも申請できる」ことは案内に書かれていないことが多いので、聞いてみてください。

窓口
通っている小学校・中学校
根拠
市区町村ごとの要綱(全国共通の基準額は存在しません)

高等教育の修学支援新制度

大学・短大・高専・専門学校の授業料と入学金が減免され、返さなくてよい給付奨学金も出ます。住民税非課税世帯なら満額。私立・ひとり暮らしなら給付奨学金だけで年91万円です。

授業料・入学金の減免と、返さなくてよい給付奨学金の2つがセットです。住民税非課税世帯なら満額で、私立大学に自宅外から通う場合は給付奨学金だけで年910,000円、授業料減免が年700,000円。合わせて年1,610,000円になります。成績だけで切られる制度ではなく、レポートなどで学ぶ意欲を確かめる形になっています。申込みは在学中でもでき、毎年4〜6月と9〜11月に受け付けます。2025年度からは、きょうだいが3人以上いる世帯は所得の条件なしで授業料等の減免を受けられるようになりました。

窓口
通っている(通う予定の)学校の奨学金窓口
根拠
日本学生支援機構「2026年度 高等教育の修学支援新制度」の支給額表と、文部科学省の国籍・在留資格の要件表

保育料・副食費の免除

保育所・幼稚園の保育料は住民税の額で決まり、非課税世帯は0円になります。3〜5歳の副食費(おかず代)も免除されます。

3〜5歳の保育料はもともと無償ですが、給食のおかず代(副食費)は実費で月4,500円前後かかります。住民税非課税世帯やひとり親世帯などは、この副食費も免除されます。0〜2歳の保育料は住民税の額で階層が決まり、非課税世帯は0円です。認可外や一時預かりにも別の助成があります。保育料の階層は毎年9月に前年の所得で切り替わるので、収入が下がった年は9月から下がります。

窓口
市区町村の役所
根拠
子ども・子育て支援法にもとづく利用者負担額(階層区分は市区町村が決定)

介護保険料の減額

65歳以上の介護保険料は住民税の課税状況で段階が決まります。非課税世帯はいちばん低い段階になり、さらに公費による軽減が上乗せされます。

65歳以上の介護保険料は、住民税の課税状況と所得で13段階前後に分かれます。世帯全員が住民税非課税だと下から3段階に入り、さらに公費による軽減が上乗せされます。保険料を滞納すると、いざ介護サービスを使うときに自己負担が1割から3割に上がる措置があるので、払えないときは滞納する前に減免の相談をしてください。災害や失業など、収入が急に減った場合の減免制度も別にあります。

窓口
市区町村の役所
根拠
介護保険法にもとづく保険料段階(段階数と額は市区町村が決定)

NHK放送受信料の免除

生活保護を受けている世帯は全額免除。障害者手帳を持つ人がいる世帯で世帯全員が住民税非課税の場合も全額免除です。住民税非課税だけでは免除になりません。

ここは間違えて書かれていることが多い制度です。住民税非課税だけでは免除になりません。全額免除になるのは、(1)生活保護など公的扶助を受けている世帯、(2)障害者手帳を持つ人が世帯にいて、世帯全員が市町村民税非課税の世帯、(3)社会福祉施設等に入所している場合などです。半額免除は、視覚・聴覚障害者が世帯主の場合と、重度の障害者が世帯主の場合。申請書に市区町村の窓口で証明を受けてからNHKに出す、という2段階の手続きが必要です。

窓口
市区町村の窓口で証明を受けてからNHKへ
根拠
日本放送協会 放送受信料免除基準

国民年金保険料の免除・納付猶予

所得が基準以下なら、月17,920円(令和8年度)の保険料が免除されます。未納のまま放置するのとは違い、免除された期間も年金額の半分として計算され、障害年金の対象からも外れません。

「払えないから放っておく」と「免除の手続きをする」は、まったく別の結果になります。未納のままだと、その期間は年金額に反映されず、障害年金・遺族年金の納付要件からも外れます。免除なら年金額の2分の1として計算され、障害年金の対象からも外れません。しかも10年以内なら後から納めて満額に近づけることもできます。審査は本人・配偶者・世帯主の所得を見るので、親と同居していて親の所得が高いと通らないことがありますが、50歳未満なら世帯主の所得を見ない「納付猶予」が使えます。失業したときは前年の所得に関係なく通る特例もあります。

窓口
年金事務所、または市区町村の国民年金の窓口
根拠
日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」(令和8年度)

児童扶養手当

ひとり親で子を育てている人への手当。令和8年4月から全部支給は1人目が月48,050円、2人目以降は1人につき月11,350円です。

父母が離婚した、死別した、父または母に一定の障害がある、といった場合に、子を育てている人に支払われます。婚姻届を出していなくても対象です。所得によって全部支給と一部支給に分かれ、一部支給の額は政令の式で1円単位まで決まります(このサイトはその式で計算しています)。受け取っている養育費の8割が所得に加算されること、寡婦控除などで所得が下がることは、人によって違うので窓口で確認してください。年に1度、現況届を出さないと止まります。

窓口
市区町村の役所
根拠
こども家庭庁の支給額(令和8年4月分から)と、所得制限限度額表・一部支給の算式

求職者支援制度(職業訓練受講給付金)

雇用保険をもらえない人が、月10万円を受け取りながら無料で職業訓練を受けられます。本人の収入が月8万円以下、世帯全体で月30万円以下、金融資産300万円以下が条件です。

雇用保険の失業給付を受けられない人のための制度です。自営業をやめた人、雇用保険に入っていなかった人、給付が終わってしまった人が対象になります。訓練そのものは給付金の条件を満たさなくても無料で受けられるので、収入の条件で外れても訓練は諦めなくて構いません。給付金には金融資産300万円以下という条件があり、訓練の日はすべて出席することが必要です。給付金だけでは足りない場合、生活費を月5万円(扶養家族がいれば10万円)まで貸し付ける制度も併せて使えます。

窓口
ハローワーク
根拠
厚生労働省「求職者支援制度のご案内」

住居確保給付金

仕事を失ったり収入が減ったりして家賃が払えないとき、家賃の額を原則3か月(最長9か月)、大家さんに直接払ってもらえます。上限額は市区町村ごとに違います。

もともとはリーマンショック後にできた制度で、離職・廃業から2年以内、または個人の責任によらず収入が減った人が対象です。家賃相当額が大家さんに直接支払われるので、自分でお金を管理する必要がありません。原則3か月、延長すると最長9か月。収入・資産の基準と、上限額(住宅扶助の特別基準額)は市区町村ごとに違います。求職活動をすることが条件ですが、自営業を続けながら経営改善に取り組む形でも認められます。

窓口
市区町村の福祉事務所・自立相談支援機関
根拠
生活困窮者自立支援法(支給額・基準は市区町村が決定)

生活福祉資金貸付

低所得世帯への公的な貸付。連帯保証人を立てれば無利子です。生活費のほか、就職の準備や子どもの教育にも使えます。

都道府県の社会福祉協議会が実施し、窓口は市区町村の社協です。総合支援資金(生活費)、福祉資金(一時的な費用・就職の準備)、教育支援資金(高校・大学の学費)、不動産担保型生活資金があります。連帯保証人を立てれば無利子、立てられなくても年1.5%です。教育支援資金は子どもが借主、親が連帯借受人になる形で、無利子です。借りる前に必ず自立相談支援機関の相談を経ることになっているので、そこで返せる見込みも一緒に確認できます。

窓口
市区町村の社会福祉協議会
根拠
生活福祉資金貸付制度(実施主体は都道府県社会福祉協議会)

生活保護

収入が国の定める最低生活費に届かないとき、その差額が支給されます。申請は権利で、福祉事務所が申請書を受け取らないのは違法です。持ち家や車があっても、事情によっては受けられます。

誤解が多いところを先に書きます。持ち家があっても、住み続けるほうが安ければ認められることがあります。自動車も、公共交通が使えない地域や仕事・通院に必要な場合は認められることがあります。親族に連絡がいく「扶養照会」は、事情があれば行わないよう国が通知を出しています。そして、申請は権利です。福祉事務所が申請書を渡さない・受け取らないのは違法で、これは何度も国が通知で確認しています。受給の可否を決めるのは福祉事務所ですが、申請を止められる筋合いはありません。ひとりで行きづらければ、自立相談支援機関や支援団体に同行を頼めます。

窓口
市区町村の福祉事務所・自立相談支援機関
根拠
生活保護法。外国籍の人は昭和29年5月8日社発第382号にもとづく行政措置

自立相談支援機関

何から手をつければいいかわからないときの入口。家賃・仕事・家計・子どもの学習まで、制度をまたいで一緒に整理してくれます。無料で、収入や在留資格の条件はありません。

生活困窮者自立支援法にもとづいて、すべての市区町村(福祉事務所を置く自治体)に設置されています。名前は「くらしサポートセンター」「自立支援相談センター」など自治体ごとに違います。家賃、仕事、家計の立て直し、子どもの学習支援、住まいの確保まで、制度をまたいで一緒に整理してくれます。生活保護を申請するかどうかもここで一緒に考えられます。相談は無料で、収入や在留資格の条件はありません。何から手をつければいいかわからないなら、最初にここへ行くのがいちばん早いです。

窓口
市区町村の福祉事務所・自立相談支援機関
根拠
生活困窮者自立支援法(全福祉事務所設置自治体に設置)

児童手当

高校生年代までの子がいれば、収入に関係なく受け取れます。令和6年10月に所得制限がなくなりました。「収入が多いから対象外」と思い込んで申請していない人がいます。

2024年(令和6年)10月分から所得制限がなくなりました。それまでは高所得だと月5,000円の特例給付か対象外だったので、「うちは対象外」と思ったまま申請していない人がいます。支給対象も高校生年代(18歳到達後最初の3月31日)まで広がり、第3子以降を数えるときの範囲も22歳到達後最初の3月31日までに広がりました。上の子が大学生でも、下の子が第3子として月30,000円になることがあります。申請は自分でする必要があります。

窓口
市区町村の役所
根拠
こども家庭庁「児童手当制度のご案内」(令和6年10月分から)

このサイトが金額を作らない場所

国民健康保険料の軽減、就学援助、保育料、住居確保給付金、介護保険料の段階は、 額そのものが市区町村ごとに違います。全国平均を持ってきて 「年◯円お得」と書くことはできますが、その数字はあなたの請求書とは違います。 このサイトは、確実に言える割合と基準までを出して、 金額は通知書と窓口に任せています。出せない数字を出さないことが、出せる数字の信頼になります。